こんにちは。開発部の小長谷です。
日常的に使っている言葉の中に、間違った使い方をしている日本語がたくさんあります。
ネット上の記事や書籍でも間違いが見受けられ、間違った日本語が広く浸透しているんだな、と感じています。
日常でよく使われる間違えやすい日本語を集めてみました。
他力本願
多くの場合、他人の力に頼るという意味で使われています。
しかし本来は、仏教の言葉で「阿弥陀仏の本願の力によって成仏すること指す」ため、「他人の力で物事を解決すること」の意味とは違います。
確信犯
悪いことをあえてやるときに、軽い意味で使われがちです。
しかし、本来の意味は、道徳的、宗教的、政治的の確信を動機として行われる犯罪のことを差します。
例えば、ある国の政権が腐敗しきっていたときに、その国の政権を破壊し、新しい政権を作ることが国民のためにあるとされたときあえて法律を破ることが確信犯に当たると思います。
間髪
「かんぱつ」ではなく「かんはつ」と読みます。
意味は、広く知られている通り、間に1本の髪すら入れることができない少しの隙もない事を表します。
爆笑
爆笑は一人ではできません。
大勢の人が一斉に声を出して笑う様子を表します。
一人が声を出して笑う様子は「一人で大笑いした」と言います。
失笑
失笑は「呆れて言葉を失って笑う」という意味ではなく、「笑ってはいけない場面などで、こらえきれず笑ってしまう」
という意味を表します。
敷居が高い
「敷居が高い」は「高級で入りにくい」という意味ではなく、「不義理や迷惑をかけた家に行きにくい」という意味です。
ビジネスシーンでも「それはユーザーにとって敷居が高いですね」などと言いますが、ハードルが高いと表すと良いでしょう。
的を得る
誤った使い方として「さすが!的を得ているね」というが多く見受けられます。
的を得るではなく、「的を射る」が正しい使い方です。
煮詰まる
誤った使い方としては、「もう3時間も会議したけど煮詰まったね」と使われますが、
正しくは十分に議論して結果が出たことを表します。
あとで後悔
「後悔」とは「後で悔やむこと」を意味します。
したがって「あとで後悔」の「あとで」は重複となり余計なので注意しましょう。
お求めやすい
「お求めやすい」ではなく「お求めになりやすい」が正しい使い方になります。
スーパーのチラシなどで「お求めやすい価格と」誤用されがちです。
射程距離
「射程」の「程」には、「日程」や「工程」のように、
「一定の分量」や「みちのり」の意味があり、すでに「長さ」を表しています。
「程」と「距離」が重複しているため「射程距離」では間違いです。
「射程に入る」が正しい使い方です。
割愛する
割愛は不要のもの省いたり除外することではなく、愛しいもの、惜しいと思うものを、思い切って捨てたり手放すことです。
よくテレビ番組や会社のビジネスシーンなどで「ここは割愛します」と使われますが、そのほとんどが、「あまり重要ではないから省く」といった意味で間違った使い方をしていように感じます。
見栄を張る
自分をよく見せたり、自分の力を誇示するような態度や言動をとったり、いいところを見せようと無理をしたりするときに使われます。
しかし、そういったときには、「見栄を切る」というのが正しい使い方です。
「見栄を張る」は、自分をよく見せようとして外見を飾ることを差します。
やぶさかでない
消極的な意味の表現誤解されがちですが、その逆で「~する努力を惜しまない」、「喜んで~する」という積極的な意味があります。
対処療法
そもそも対処療法という言葉はありません。
ある問題に対して、一時的に対処する意味に使われますが、そのような場合は「対症療法」と表すのが正しい使い方です。
なおざり
なおざりは、やらなければならないことをほったらかしにすることを差します。
一方、おざなりは、とりあえず何かをするものの真剣には取り組まない場合を表します。
どちらがどういう意味だか混同しやすいので注意しましょう。
役不足
役不足は、役者の力に対して役が不足しているときを表します。
簡単な仕事を大物にさせることを差します。
一方、役者不足は役に対して役者の力が不足しているときを表します。
使い方を間違えると表したい表現の逆の意味となり、失礼になりますので慎重に使ってください。
さわり
さわりは、話の要点を指します。
よく「話の最初だけ」という意味に使われますが、それは間違いです。
間が持たない
途切れがちの会話などを、うまくつなぐことができないという意味に使われますが、正しくは「間が持てない」です。
上には上がいる
優れていると思っても、さらに優れたものがあるときに使いますが、正しくは「上には上がある」と使います。
ひよる
「ひよる」は弱気になることではなく、様子を見て形勢有利な側に付く行動をするという意味です。
若者の間では、弱気になるという意味で使われています。
いかがでしたでしょうか。
言葉というものは、時代とともに変化すると言われていますが、自分が生きている30年間にも変化している言葉があります。
例えば、「全然」という言葉は、本来否定的な意味で「全然ダメ」「全然違う」などと使うのが正しいとされていますが、今では、「全然大丈夫」や「全然かっこいい」などと、むしろ肯定的に使われることが多くなりました。
何が正しくて何が間違っているのかは、時代と共に変化するものかもしれません。
私は、間違った使い方をしている人がいても、「それは間違っているから直せ」と、言う気はさらさらありません。
むしろ、言葉というものは変化によって、進化していくものだと思っています。
言葉は通じればそれで十分で、例に挙げたような間違えやすい言葉も、いずれは言葉の進化によってわかりやすい表現に変化する可能性があります。
正しい意味を知た上で間違った言葉を聞くと、意味がわからず不安になりますが、そこは人間同士なのだから、コミュニケーションを図って真意を共有していけばいいかと思います。